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2020.11.26

インタラクティブ動画の可能性

動画市場の動向

現在、動画の視聴は、テレビやDVD、Webサービスなどのツールを使った一方向視聴から、オンライン会議などに代表されるような双方向視聴やYoutubeなどのコミュニケーションツールの一つとして大きく変わってきました。しかし、動画はあくまで作り手が(場合によっては依頼主の意図をくみ取って)加工するか、そのままの状況を生配信するというように、動画の役割は情報を伝達することに特化しており、ほとんど視聴者はその動画を視聴し、そこから意図を理解する仕組みになっています。
ここ最近、動画は広告にとっても重要なメディアになりましたが、それはあくまで動画の使い方にバリエーションを付けただけで、まだまだ動画の利用認識としては、文字よりも動画の情報伝達力が優れているという見方が一般的だろうと思います。エンターテインメントとしての動画(映画やアニメ、ドラマなど)は、その認識が最大限に活用されている事例だとも思いますが、これからどうなっていくのでしょうか。

さて、AIや5Gといった話題が尽きない昨今において、今後動画はどのように変わっていくのでしょうか。今後は動画制作会社としても、素晴らしい動画を作るということにこだわるだけでなく、動画の活用方法や動画の役割までも含めて“動画を作る”というスペシャリストになる必要があるだろうと考えています。
つまり、動画制作をするにあたっては、その制作前段階から動画の目的をはっきりさせ、届けたいターゲットを明確化し、最適な運用で最大の効果を発揮させるための運用プランを設計していく必要があるということです。一般的に動画を活用したい企業は、動画を作ることでどんな着地をさせたいのかがはっきりしていることでしょう。しかし、ブランディング活用以外は動画だけでその着地ができないこともわかっているので、動画の期待値は、ほかのツールを含めて評価されるということになります。

そのような動画に視聴者参加型という活用の可能性を持たせた「インタラクティブ動画」をご紹介したいと思います。

インタラクティブ動画とは

前回のブログでお伝えしたように簡単に言ってしまうと、PCやスマホで視聴する動画に視聴者が選択できるストーリー分岐を持たせて、インタラクティブに動画が切り替わる動画コンテンツのことです。2018年ごろからこのような見る人にあった動画の提供が増えてきました。
これまでDVDやBlu-rayは、動画に分岐を持たせて視聴者の興味がわくコンテンツとして一般的に普及してきました。もちろん、視聴者はお金を出して購入するわけですから、その時点で動画のターゲットとニーズがマッチしているわけです。ターゲットにリーチできているということでは、非常に理にかなった方法です。しかし、インターネット環境が整い、映像がインターネットでストレスなく展開される昨今においては、このような物理メディアも衰退傾向にあります。
もし、こういった物理メディアでできることが、インターネットでできたらどうでしょう。 誰もが持ち歩いているスマホを使って視聴でき、さらにその動向がリアルタイムで蓄積され効果が測定出来て、視聴側もハッピーになるものだったら。そういったことを考えたとき、動画活用一つの選択肢としてインタラクティブ動画を検討してみても良いのではないでしょうか。

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付加価値で動画活用

動画にストーリー分岐を持たせることだけでなく、アンケートや購入への導線、クーポンの提供や付加価値を付けた情報の表現が可能なインタラクティブ動画は、視聴者が必要とする情報にたどり着くには理にかなっているような気がします。ただ、なんでもかんでも機能を入れ込めばいいというものではなく、動画そのものの情報伝達力を阻害するような設計は逆に鬱陶しいということにもなりかねません。だからこそ、どういった設計を当初からしていかなければならないかが重要です。そして、それがターゲットにマッチしたときは、大きな効果を生むことが期待できます。

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世界で広がるインタラクティブ動画活用事例

世界では、面白い取り組みがたくさんあるようです。
https://stage.helloeko.com/smartwater/(smart waterという商品の例)
http://www.raptmedia.com/customers/deloitte/(採用動画の例)
https://eko.com/epicnight/epic-night-part-1?autoplay=true&device=desktop(インタラクティブドラマの例)

日本でもドラマのサブコンテンツとして活用したり、リクルート映像として、自分のなりたいキャリアを選択したりするようなコンテンツがちらほら展開しているのを見かけます。
https://e-tenkicojp.mil.movie/GAGHmQ/(日本テレビ ハラスメントゲーム)
https://www.jp-bank.japanpost.jp/campaign/yuchopay/cpn_yp_index.html(ゆうちょPay公式Twitter フォロー&リツイートキャンペーン 【この動画さわれます!】「個人のお客さま必見!!」・「ママと女子高生編」の2本)

しかし、日本ではインタラクティブ動画はまだまだ普及していません。理由は、どうもコスト面というより、制作が煩雑で活用イメージまでたどり着かないからという場合が多いようです。そのようなインタラクティブ動画ですが、目新しい今だからこそやってみると大きな話題を呼ぶ可能性があるかもしれません。

最後に

これまで、企業向けに動画制作やDVDやBlu-rayといったコンテンツ手掛けてきたトランス・デュースは、もう一つの事業の柱であるWeb事業とともに、今後、動画制作コンサルティングを強化していく予定です。動画を作れる、Webサービスを作れる、さらにそれを掛け合わせて動画の活用方法を提案できるというトータル動画コーディネートを皆様にご提供してまいります。

投稿者:竹本